お茶の水メンタルケアサービス メンタルヘルス 心の病 不安 うつ カウンセリング 電話 メール 相談 東京メンタルトレーニング メントレ メンタルトレーナー 緊張 恐怖 メンタルコーチ お茶の水メンタルクリニック 森田療法 大脳生理学 脳科学 神経症 恐怖症 海外駐在員 無料相談 森田療法実践セミナー

スポーツや仕事での緊張や不安を克服し、実力を最大限に発揮したい方のプログラム東京メンタルトレーニングをご希望の方は、下のメニューボタンで「メントレ」を選択してください。

体験談

赤面恐怖症-40代女性、主婦

わたしが赤面を気にするようになったのは小学校の5年生か6年生の頃でした。クラスに赤面するといじめる男子生徒がいて、わたしだけでなく何人かの生徒がいじめの対象になっていました。わたしは小さい時から内気でいじめられると反抗もできない性格だったので、いじめるほうからすればいじめ甲斐があって面白かったのかもしれません。何度もいじめられるものですから先生に言いつけたりしていましたが、余計にエスカレートする始末で、とうとう学校に行けなくなりました。両親が心配して学校に強く言ってくれたお蔭で、学校には行けるようになりましたが、それ以来、赤面してはいけないと強く思うようになったと思います。
高校生になってからのことですが、国語や英語の時間に指されてテキストを読むことがあって緊張のせいか激しく赤面することが何度かありました。そうなると、皆がわたしのことを笑っているのではないかと思って、周りの視線が気になるようになりました。そうなるともうどぎまぎしてしまって本を読むどころではなくなってしまうのです。とうとう本が読めなくなって泣き出してしまったことがあり、先生を困らせたことがあります。
短大を出て社会人になりましたが、余り人と接するのは向いていないと思いましたから経理関係の仕事をしておりました。仕事では余り赤面が気になることはなかったのですが、研修会などあると全員の前で発表したりしなければならず苦労したことがあります。結婚も見合いなどでしたら大変苦労したのではないかと思いますが、幸い、職場の先輩だった夫と巡り合えましたので運が良かったと思っています。
しかし、PTAなどでリーダー的な役割が順番で回ってきたりして嫌だったこともあります。一番困ったのは、子供が手を離れて来たのでパートの仕事などしたいと思ったのですが、得意の経理関係の仕事はなかなか無く、スーパーやコンビニのレジなどお客と接する仕事ばかりだったことです。仕方なくやってみたこともありますが、緊張すると赤面してしまって永く続きませんでした。マンションのローンや子供の教育費のことなど考えるとこれではいけないと思って、なんとかこの赤面症を治したいと思って心療内科やクリニックで相談したことがあります。緊張したときに飲むようにと精神安定剤を頂いたこともありますが、根本治療にはなりませんでした。実は、森田療法の関係の集まりにも参加したこともあります。このときはある方から、「あなたくらいの赤面は誰にでもあることだから気にすることはない」とアドバイスを受けました。しかし、よく父親に、「そんな赤面くらいで何を気にしているんだ」と怒られたことを思い出してしまいました。ですから、この集まりも出る気がなくなってしまいました。山村先生も森田式だと伺いましたから、最初は相談するかどうか迷いました。しかし、先生が、「赤面くらい大したことはないと言われても、それが自分にとっては大したことなんですよね。大したことがないと慰められたら、余計に自分が情けなくなりますよね」とおっしゃられたので、この方なら分かっていただけると思いました。また、「あなたと同じように赤面している人を見ると気の毒だとか、やはりこの人も苦しんでいるのだろうなと思うことはありませんか」とか、「わたしもあななのように赤面するけれどもちっとも気にならないという人がいると、あなたの赤面とわたしの赤面では質が違うのだと思ったりしませんか」と具体的に指摘されて、そのとおりだと思いました。
まず、最初の指摘については、「赤面して苦しむ人はあなたが思うほど多くはない。むしろ少ないと思ったほうがいい。普通の人でも赤面して恥ずかしいと思うことは勿論あるけれども、それは一過性のもので時間が経てば忘れてしまう。なぜ、忘れてしまうかというと赤面して恥ずかしいと思うのは当たり前だと思っているから。当たり前だと思っているからいつまでも気にすることがない。ところが、神経症の人は、それが異常なことで、あってはならないことだと思うからいつまでも忘れることが出来ない」とおっしゃいました。後の指摘については、「神経症の人は、赤面症に限らず、あなたくらいのことはわたしにもあると慰められてもけっして納得しない。あなたとわたしでは違うんですと頑なに考える。赤面症の人は鏡など見て、やはり自分の赤面はほかの人より赤いと納得したがる」とおっしゃられたので、わたしは全くそのとおりだと思いました。
あるとき先生が、あがり恐怖があるかと訊かれました。わたしはあがり恐怖というのがよくわかりません。確かにあがって困ると言うことはあります。わたしも赤面してどうして良いか困ったような状態になると、あがったのと同じようにしどろもどろになることがあります。そのときは困ったと思うのですが、あがるということが恐怖になることはなかったと思います。そう先生に申し上げますと、それは赤面のほうに意識が行ってあがるということを意識しないか、しても当たり前だと思っているからではないか。あがり恐怖の人は、あがったときに赤面することがあるけれども、赤面をさほど苦にすることがない。というより意識しないことのほうが多い。これはあがるということに意識が集中すると考えても良いし、赤面することは当たり前だと思ってさほど気にしないからと考えることも出来るとおっしゃるのです。つまり、赤面恐怖にしろ、あがり恐怖にしろ、意識が行っていること以外のことについては苦にすることがない。これは普通の人が「赤面なんて普通にあることで苦しむほどのことではない」とか、「あがって困ることはあるけれども誰にでもあることで気にしない」という場合にも言える。普通の人は、話すことや訴えたいことに意識が行っているから、赤面やあがりのほうに強く意識が行くことがないのだ、とおっしゃるのです。
わたしはこれを伺って、自分が大きな勘違いをしていたことに気が付きました。わたしは普通の人(健常者)は赤面を苦にすることがないと思い込んでいたのです。先生のおっしゃるとおりなら、それは単に意識が行っていないか、あるいは当たり前のこととして心の中を通り過ぎてしまうということなのです。つまり、それは一瞬にすぎないか、あるいは全く意識に上らないかもしれないけれども、健常者も赤面を苦にすることはあるということなのです。わたしは、父から「赤面なんて誰にでもあることだから気にするほうがおかしい」と言われるたびに、赤面を苦にする自分は異常なのだ、駄目な人間なのだと思っていたのです。これが分かってから、わたしの心の霧が一遍に晴れたような気持になりました。赤面は誰にでもあって、誰でも嫌に感じるものなのだと分かっただけで、自分ひとりが苦しんでいたのがとんでもない間違いだったと思えるようになったのです。
これが分かってから、先生の勧めもあって嫌だと思っていたレジの仕事にチャレンジすることにしました。初めての日はほんとうに緊張してしまい、やはり自分は駄目だなと酷い嫌悪感にとらわれてしまいました。それを先生に報告すると、何十年も苦しんで来たのだから一日や数日で苦しまなくなるということがあれば、それは奇跡だ。一種の癖だから癖を治すのにどれくらい時間がかかるかを考えれば分かる。だから、しばらく時間が掛かるけれども、恐怖の原因が分かったのだから必ず克服できると励ましてくださいました。どうしても無理なら、かえって逆効果になることがあるから辞めて、改めて別の方法を考えても良いともおっしゃってくださいましたけれども、先生の必ず克服できるという言葉を信じて続けてみることにしました。苦しいときは、心の中で“誰でもやはり苦しいんだ。自分だけじゃない”と呪文のように唱えて耐えていました。最初の一か月ほどは地獄のような毎日であったような気がします。先生にも頻繁に相談して励ましていただきました。そして、数か月我慢しましたら、自分でも驚くほど気にならなくなりました。仕事に慣れたということもあると思うのですが、それまでは絶えずお客さんの視線が気になっていたのが、いつの間にか気にすることもなく何時間も無心で仕事をしている自分を発見して驚いたこともありました。
 確かに、いまでもやはり視線が気になることはあります。先生にそれを言いますと、視線恐怖や赤面恐怖が無い先生でも、電車の中で、前の人が笑ったりすると気になることがあると言います。そういうときにはトイレに行ったついでに鏡を覗いて、何か顔に付いているのだろうかと見ることもあるそうです。それでも別に変ったことがないと、こんな顔では笑われても仕方がないと思うようにしているとおっしゃられたので思わず笑ってしまいました。先生のお話を伺っていると、いまの自分が普通なのだと思えるようになって来ました。いまでは、これまで永い間苦しんで来たことが何かもったいないことだったように思えます。こういうことがなかったらもっと違う人生があったのではないかと思ったりします。しかし、先生は、そういうことに気が付かないまま一生を終る人も多いのだから、これからの人生を有意義なものにできれば、いままでの借りも十分返せますよと言ってくださいました。わたしもそのとおりだと思います。これからを精一杯生きてゆきたいと思います。

▲ このページのTOPへ戻る